本学スポーツ生命科学系所属の藤田英二(Eiji Fujita)准教授と金久博昭教授、信州大学の吉武康栄教授、および現在藤田准教授が派遣中である長期海外研修先(Exercise Medicine Research Institute, Edith Cowan University, Australia)のDennis R. Taaffe教授との共同研究の成果が、このたび老年学の国際学術誌Experimental Gerontologyに受理されました。

今回Experimental Gerontologyに受理された論文は、本学のプロジェクトのひとつとして取り組まれている貯筋運動のスクワットエクササイズ(イスからの座り立ち)の効果について、介護保険利用者を対象とした調査結果をまとめたものです。表面筋電図を用いてスクワットエクササイズ介入期間前後での大腿四頭筋(太ももの膝を伸ばす筋肉)における動作中の筋活動水準(筋の努力度)を調べたところ、大腿四頭筋の筋力増加とともに動作中の筋活動水準が軽減し、筋力の増加率は介入前の大腿四頭筋の筋力および動作中の筋活動水準と相関関係にあることが明らかとなりました。これらの結果は、特別な用具を必要とせず“いつでも・どこでも”実施可能である貯筋運動の実施が、介護保険利用者において筋力を増加させることのみならず、日常生活動作における筋の負担を軽減させ(つまり日常生活動作が楽に行えるようになる)、その効果の程度は介入前における各々の筋力に依存していることを意味しています。これらの知見によって、介護現場などへ貯筋運動のより一層の普及が期待されます。

なお、この研究は、日本学術振興会が行う大学等研究機関が、海外のトップクラスの研究機関と世界水準の国際共同研究を行うことを通じて、相手側への若手研究者の長期派遣と相手側からの研究者招へいの双方向の人的交流を展開する取組を支援するための『国際的な活躍が期待できる研究者の育成事業(旧:頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム)』の助成を受けて行われたものです。