本学教員で鹿屋体育大学の一期生でもある荻田太教授が、公益財団法人日本スポーツ協会の「秩父宮記念スポーツ医・科学賞奨励賞」を受賞しました。この賞は「スポーツ医・科学についてよく研究し、その研究成果が十分にスポーツの現場に活かされ、我が国スポーツの普及発展又は競技力の向上に顕著な実績をあげた者又はグループ」に与えられます。荻田教授は今回「高強度・間欠的トレーニング(HIIT)研究開発グループ」の一員として受賞しました。グループの代表は、かつて本学に在籍し、現在は立命館大学で教鞭を執る田畑泉教授です。

この研究は、1980~1990年代に日本スピードスケートナショナルチームのヘッドコーチをしていた入澤孝一氏(現高崎健康福祉大学教授)から、田畑教授がいくつかのインターバルトレーニング法について効果の検証を依頼されたことがきっかけでスタートしました。1989年、田畑教授は当時鹿屋体育大学大学院修士課程の2年生だった荻田教授らゼミ生とともにそのトレーニング法に関する検証を重ね、ついに高強度・間欠的トレーニングの科学的有効性を実証し、その成果は田畑教授によって英文論文にまとめられ、1996年と1997年にアメリカスポーツ医学誌に発表されました。

20秒の運動を10秒の休息を挟んで8セット繰り返す、わずか4分間のインターバルトレーニングですが、これは有酸素性および無酸性エネルギー供給系の両方に最大限の負荷を与えられる希有なプロトコルです。このトレーニング法は、のちに「タバタ・プロトコル」または「タバタ・トレーニング」と呼ばれるようになり、はじめは海外で火が付き、その後“逆輸入”という形で日本中に普及していきました。実に30年の歳月を経て、今回の賞に結びついたことになります。

3月に予定されていた表彰式と受賞祝賀会は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となり、このほどようやく賞状が届きました。受賞を受けて荻田教授は「研究成果が実験室にとどまるのではなく、世界の現場の人たちに活用され、メダル獲得に貢献できたことはとてもうれしいですし、そのような研究に携われたことを光栄に思います。バトンを渡す教え子たちには、タバタ・トレーニングを超える研究開発をしてほしいですね」と喜びと抱負を述べました。

報告を受けた松下雅雄学長は「最初から賞狙いで研究をしているわけではないので、やってきた結果がたまたま成果に結びついたということは研究者冥利に尽きると思います。チャンスはみんなにあるけれど、しっかりとつかんでいくのが能力であり、実力。荻田教授の若い頃からの努力の積み重ねが今回の賞に結び付いたのだと思います」と受賞をたたえました。

荻田先生、本当におめでとうございました。

学長報告の様子(右:松下学長、左:荻田教授)

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