鹿屋体育大学0

いつも明るくて前向き。周りの人までも笑顔にしてしまうカコイマジック! ダンス部の顧問教員も務める栫先生の辞書に、不可能という文字はない。幼い頃にあだち充原作のテレビアニメ『タッチ』を観て、浅倉南に憧れたのが新体操を始めたきっかけ。大学に進学するとモダンダンスに転向し、3年生で全日本高校・大学ダンスフェスティバル創作コンクール部門の文部科学大臣賞(第1位)に輝いた。しなやかさとタフさを兼ね備えた才色兼備の生粋の京都人。高校までは違う競技をやっていた学生が門を叩くと言われる本学のダンス部は、再出発を目指す学生にとってかけがえのない存在だ。

ー研究内容について、高校生にもわかりやすく教えてください。

栫 小・中・高の体育や保健の授業について研究をしています。具体的に言うと、本学のNIFSスポーツクラブの体操教室やサッカー教室だと、基本的にそのスポーツが好きで来ている子どもたちなので、競技力をいかに上げてあげるかというところがメインの指導になるのですが、体育の授業って運動が得意な子もいれば、やりたくもないのに授業だからやらざるを得ないという子どもたちもいるクラスを指導するので、運動が苦手な子どもたちにどうアプローチしていくか、どう授業づくりをしていくか、といった研究内容になります。

ー栫先生は東大・京大にも進学する京都の名門私立女子校、通称「京女」と呼ばれる京都女子中学・高校のご出身ですが、小中高とずっと新体操をやられていたそうですね。大学でモダンダンスに転向したきっかけは?

栫 担任の先生がダンス部の先生だったんです。ルールがきっちりある新体操の横で、自分がやりたい表現を自由にやっているダンス部を見て、楽しそうだなって思っていました。進路で迷っていた時に相談したら、ダンスはもちろん、体育スポーツ全般について学べるからと筑波大学への進学を勧められて。今でも教育の世界に携わっていられるのは、人生の節目に的確なアドバイスをくださる多くの恩師と出会ったおかげだと感謝しています。

ー本学のダンス部は大学からダンスを始めた学生がほとんどだと聞きました。

栫 ダンス部が競技でケガをしたり、日本一、世界一を目指して挫折した学生の受け皿になっているのは事実です。でもダンス部の学生は踊ること自体が大好きで、いつでもどんなときでも同じテンションで生き生きと踊るんですよ。私自身“めざせ日本一”という世界で生きてきたので、勝敗を目指すだけじゃないところにも体育大のニーズがあるということはダンス部の学生に教えてもらいました。体育スポーツのあり方について考えるきっかけにもなりました。

ーKKB鹿児島放送の番組『ですです。』(毎週金曜日9時55分~)やKKBのアプリ「KAPLI」にも登場する5分間の運動「Exseed(エクシード)」。本学のスポーツトレーニング教育研究センターの髙井洋平先生らが長年研究し、エビデンスに基づいて開発したトレーニングの要素に、栫先生がダンス風のアレンジを加えて完成しました。鹿児島放送の協力の下、栫先生の指導で鹿屋市の小学校を中心に普及してきています。

栫 舞踊教育学の研究・教育で培ったノウハウを、他分野の先生方とコラボして新たな形で表出できたことは本学ならではと感じています。今後も県内はもとより県外への「Exseed」の普及にも尽力していきたいと思っています。

ー最後に学生に期待することは?

栫 全国からいろんなバックボーンを持った人たちが集まってきているので、課外活動や学年を超えていろんな人とかかわってほしい。きっと世界がさらに広がると思います。また、教員と学生の距離が近いのも本学ならではの魅力だと思います。その分野のプロフェッショナルの先生方がそろっているので、ぜひ間近で話したり、議論してみてください。学生のみなさんの可能性は無限です。自分にはこれしかできないという枠をつくらず、いろんな可能性にチャレンジしてほしいです。

(取材・文/西 みやび)

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