日本で唯一の国立体育大学

国立大学法人 鹿屋体育大学 KANOYA

スポーツ人文・応用社会科学系 エルメス ディビット

20210913 Elmes

インタビュー取材のお願いメールを送ったら、とても丁寧な日本語で返信が届いた。「言葉遣いに失礼がないかとても気を使う」という言葉を聞きながら、なんてスマートで素敵なジェントルマンなんだろうと感激した。カナダの大学にはキャンパス内に映画館やBarがあったと目をキラキラさせながら話すエルメス先生の話は、文化や環境、考え方の違いなどすべてが面白く、歯に衣着せぬ発言は聞いているだけでスカッとさわやかになった。「4年間をとにかく楽しんで!」と学生にメッセージを送る。示唆に富んだ話は、私自身が“刺激のシャワー”を浴びるかけがえのない時間となった。

エルメス先生の研究内容を高校生に向けてひとことで教えてください。

エルメス スポーツと語学教育に関することを研究しています。海外のスポーツキャンプ訓練中にコーチや選手たちにインタビューを行い、録音や録画をした観測記録を分析し、スポーツ指導方法の英語教材を作成するといったことも研究の一環として行っています。

2010年から本学に勤務されていますが、日本にいらしたきっかけは?

エルメス 日本に来る前はカナダで中学・高校の教員をしていました。アルバータ州にあるカルガリーの学校に勤務していた時、いろんな国から来ている生徒さんが集まっていて、それまで「アジアはひとつ」という認識でいたのですが、日本人、中国人、韓国人のそれぞれに行動や考え方に違いがあることに気が付きました。一度ひとつの国についてじっくり研究してみたいと思うようになり、日本での英語教師の求人広告がカナダの新聞に出ていたので履歴書を送り、福島県の会津若松、静岡県の浜松を経て鹿児島に来ました。

日本の学生を見ていて感じることは?

エルメス 私自身スポーツが好きで、若い頃からアイスホッケーと野球をしていました。カナダでは成績が悪いと小学校でも進級できないので、勉強もずっとしてきました。体育大の学生はスポーツが上達するためには練習が必要だということはとてもよく理解しているのに、スポーツと勉強は全く違うものだと考えています。英語が苦手な人も、勉強すればできるようになります。指示待ち人間が多いのも気になります。自分でも考える習慣を身に付けることも、大事だと思います。

グローバル化に対応できる人材が求められています。

エルメス 日本では1度就職してしまうとなかなか自分の時間をつくることは難しいので、大学の4年間は自分に投資できる最後のチャンスだと思います。国際交流センターではセンター長の国重先生と一緒にアメリカ、ハワイ、オーストラリアなど学生にとって1番ベストな留学プログラムを考えています。ぜひ活用して、語学だけでなくそこでしかできない貴重な体験をして見聞を広げてほしいです。

(取材・文/西 みやび)

※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。