日本で唯一の国立体育大学

国立大学法人 鹿屋体育大学 KANOYA

SPORTEC2024スポーツパフォーマンスフォーラム IN 鹿屋体育大学を開催しました!

2024/03/26

「スポーツ人口を増やし、スポーツ競技力向上と健康社会を実現する」をビジョンに掲げ、スポーツを「もっと身近に」「もっと推進する」ことを目的に毎年東京ビッグサイトで開催されているスポーツ・健康まちづくり総合展『SPORTEC』が、昨年12月の福岡県初開催に続き鹿屋体育大学で「―最先端スポーツ科学の、実践へのフィードバックを知る―スポーツパフォーマンスフォーラム IN 鹿屋体育大学」と題して3月16、17日の2日間開催され、全国各地から100人を超える方々が参加しました。また、会場内に協賛企業8社のブースを設置し、ビジネス交流が活発に行われました。

開催にあたり、本学の金久博昭学長から「今回の会場となっている国内初の最先端研究施設を備えた本学の屋内研究施設・スポーツパフォーマンス研究センターは、本日来賓としてお見えになっている本学第6代学長の福永哲夫先生のリーダーシップによって2015年に設置されたこと」「TSO International株式会社とネーミングライツ・パートナー契約を締結し、2023年4月から“SPORTECスポーツパフォーマンス研究センター”のネーミングになったこと」、2022年4月の金久学長就任を機に「それまでの研究資源を統合し、新たに“スポーツイノベーション推進機構”を設置し、多様なフィールドとの協調・共創・競争による教育・研究イノベーションの実現に向けて取り組んでいること」などの説明があり、寺田寅彦著『科学者とあたま』(青空文庫)から抜粋した言葉の紹介の後に「今回のスポーツパフォーマンスフォーラムがSPORTECスポーツパフォーマンス研究センターを彩る花園をつくるための記念すべき種まきとなることを祈念します」と挨拶しました。

最初のセミナーは「ZXY Sports Trackingを用いた活用事例」の演題で本学スポーツイノベーション推進機構スポーツパフォーマンス・コーチング部門の沼田薫樹特任助教による講演と実践、3社の企業PRプレゼンテーションを挟んで「スポーツパフォーマンスの向上に向けてどのようにデータを活用しているのか?」と題し、東海学園大学スポーツ健康科学部教授でJATI理事の島典広氏、豊田合成ハンドボール部Blue Falconストレングス&コンディショニングコーチでJATI副理事長の菅野昌明氏、本学スポーツイノベーション推進機構スポーツパフォーマンス・コーチング部門長の髙橋仁大本学教授、同機構同部門の鈴木智晴特任助教の4人が事例発表をした後、髙橋教授をファシリテーターに会場からの質問も受けながらディスカッションが繰り広げられました。
2日目は「打球データを活用したサービス指導事例」を演題に本学スポーツ・武道実践科学系の村上俊祐講師による講演とテニスコートを使った実践でスタート、続いて「モーションキャプチャーシステムによる動作の解析~SPORTECスポーツパフォーマンス研究センターでの活用事例~」の演題で同機構同部門の大澤啓亮特任助教の講演のあと実践、4社の企業プレゼンテーションを挟み、最後のセミナーとして前日の登壇に続き鈴木智晴特任助教が「フォースプレートを用いたパフォーマンス測定~野球選手の測定を例に~」の演題で講演をした後、世界最長50mのフォースプレートを完備したセンター内陸上トラックに場所を移して体験と解説がありました。

TSO Internaional株式会社代表取締役でSPORTEC事務局長の佐々木剛氏は「途中コロナを挟みましたので、構想から7年ぐらいかかりましたが、ようやく形にすることができてホッとしております。筑波研究学園都市に筑波大学やJAXAなど多くの研究・教育機関が集まっているのと同じように、鹿屋体育大学があるここ鹿屋をスポーツ科学のハブにできればと勝手ながら考えております。次回の開催時にはぜひ東南アジアの研究者にもお越しいただき、将来的には鹿屋の町に移住をしてもらって、実践的なフィードバックが行われて毎年のようにスポーツ選手や監督、コーチが鹿屋に学びに来ていただけるという好循環が生まれるようにしたいと思っております。そのきっかけになるのは今回のようなイベントだと思いますので、実現に向けてこれからもSPORTECの鹿屋での開催に取り組んでまいります」と、今後の展開と抱負について話しました。

セミナーに2日間とも参加した台湾からの本学留学生チェン イーチェン(陳怡禎)さん(博士後期課程3年)は「私の専門は運動生理学で、現在は“運動による骨や循環のメカニズム”に関する研究を行っているため、この施設を使う機会があまりありません。2019年に(本学主催の)“第10回国際スポーツアカデミーセミナー”に台湾から参加したので、その時にフォースプレートやモーションキャプチャーも体験させてもらって、学内にすごい施設があることは知っておりました。今は大学院生としてとても身近な場所に施設があるので、今回は貴重な機会だと思って参加しました。先生方が多くのデータ取って分析し、それをアスリートのパフォーマンス向上にしっかりと生かしていることを知ることができてとても感銘を受けました」と、フォースプレートが設置されている走路を走ったり、測定のためのテニスやイベントに自ら積極的に手を挙げてトライする姿が印象的でした。会場内に設けられた8つの参加企業ブースに立ち寄って、話を聞いたり体験してみる人たちの姿も多く見られ、参加者にとっても有意義な2日間になったようです。

閉会にあたり、本学の前田明理事・副学長が「いつかSPセンターでこういうフォーラムをしたいという話をSPORTEC関係者とずっと話をしておりましたが、コロナが明け、今年度からSPORTECのネーミングライツがついた勢いもあり、今回実現させることができたことを大変うれしく思います。セミナー開催に際しましては、JATIさん=日本トレーニング指導者協会の皆さまにご協力いただいたお陰で成功に終わらせることができました。ご後援いただいた鹿屋市、協賛企業の皆さま、2日間ご参加いただいた皆さまに深く感謝申し上げます。来年の開催も、3月15日(土)、16日(日)に決定しました。今後も鹿屋市と協力して“KANOYAモデル”をつくり、全国、そして世界に発信していきたいと思います」と謝辞を述べ、2日間のフォーラムは無事に終了しました。

開会の挨拶をする金久学長
初日のセミナーは沼田特任助教からスタート
髙橋教授(左)と鈴木特任助教(右)
JATI副理事長の菅野氏(左)と理事の島氏(右)
セミナー会場の様子
2日目のセミナーは村上講師からスタート
実際の現場でモーションキャプチャーシステムによる動作の解説をする大澤特任助教
フォースプレートを用いたパフォーマンス測定について解説する鈴木特任助教
”SPORTEC IN鹿屋体育大学”の今後の展開について話をする佐々木社長
会場内の8つのブースの1つで、実際に体験をする参加者
閉会の挨拶をする前田理事・副学長
会場の電子掲示板に投影されたタイトル
鹿屋市のブース