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国立大学法人 鹿屋体育大学 KANOYA

日本生涯スポーツ学会第25回大会が本学で開催されました

2023/12/28

 令和5年12月2日、3日の2日間、「日本生涯スポーツ学会第25回大会」が本学で開催されました。大会のテーマは「原点回帰:生涯スポーツ学の体系化をめざして−これまでとこれから−」。水野講堂で行われた開会式では、今年4月19日にご逝去された日本生涯スポーツ学会会長で本学元教授でもある萩裕美子先生を悼み、黙とうが捧げられました。続いて、日本生涯スポーツ学会会長代行の仲野隆士氏(仙台大学教授)、大会名誉会長の金久博昭学長から挨拶がありました。

 開会式後のキーノートレクチャーでは、「生涯スポーツ学のあゆみ」をテーマに本学元教授の2名の先生の基調講演が行われました。初めに本学名誉教授で元理事・副学長の川西正志氏(北翔大学特任教授)が社会科学の立場から「社会科学の研究アプローチの課題と検証」と題して、これまでの日本の生涯スポーツ学の歴史や研究アプローチ等に触れ「生涯スポーツは理論と実践がセットになっている。現場にいかにフィードバックあるいはインパクトを与えているのか考えてほしい」と話されました。続いて、田畑泉氏(立命館大学特命教授)が自然科学の立場から「私的生涯スポーツ学」と題して、自ら考案したタバタトレーニングによる効果等についてエビデンスを示しながら話されました。

 1日目の午後には、山口泰雄氏(神戸大学名誉教授)、工藤保子氏(大東文化大学准教授)をコーディネーターにシンポジウム「生涯スポーツ学のこれから:体系化を目指して」が行われました。はじめに秋吉遼子氏(東海大学講師)が社会科学の立場から、松下宗洋氏(東海大学講師)が自然科学の立場から、安光達雄氏(日本スタビライゼーション協会理事長、PCY,Ltd.代表取締役)が実践科学の立場から、各分野における生涯スポーツ学について分析結果や実践例を交えて発表されました。その後のディスカッションでは「生涯スポーツ研究を行う上での楽しさ、やりがい」「ポストコロナにおける研究ニーズ、実践ニーズ」「生涯スポーツ社会の実現に向けてどんなアクションが求められるか」について提起され、3名の先生方がそれぞれの立場から意見交換をされました。

  また、会期中は多くの学会員によるポスター発表・口頭発表も行われ、活発な質疑応答がなされていました。大会は、大会実行委員長の北村尚浩教授をはじめ多くの本学教員や学生が運営に携わり、盛会のうちに閉会しました。

左から)開会式の様子、基調講演を行う川西氏、田畑氏

左から)コーディネーターの山口氏と工藤氏、秋吉氏、松下氏、オンラインで登壇した安光氏