日本で唯一の国立体育大学

国立大学法人 鹿屋体育大学 KANOYA

静岡放送株式会社アナウンサー

原口 大輝さん

原口大輝さんの写真

はらぐち・だいき。1993年11月13日、宮崎県えびの市生まれ。日南学園高等学校からヒューマンアカデミー福岡校を経て、2014年、鹿屋体育大学スポーツ総合課程に3年次編入学。筑波大学大学院博士前期課程修了。2018年、静新SBSグループ、静岡放送にアナウンサーとして入社。現在の担当番組は「みなスポ」(SBSテレビ)、「原口大輝のIPPO」(SBSラジオ)、「TOROアニメーション総研」(SBSラジオ)など。

スタジオ入りすると、笑顔がまぶしくて後光が差しているかのようなオーラを感じた。就職試験の倍率が高く、テレビ局やラジオ局の花形職業と言われるアナウンサーの採用試験に合格し、静岡放送で活躍中の原口大輝さん。難関を突破できた秘訣は、最後まであきらめなかったことだと話す。高校、大学、大学院、就職と常に志を高く持ち、コツコツと地道な努力で壁を乗り越えてきた。強靭な意志の持ち主だと思うが、ストイックさは微塵も感じられず、穏やかでさわやかな印象が全身から伝わってくる。金曜日の朝はラジオの冠情報番組「原口大輝のIPPO」のパーソナリティーも務める原口アナから、ますます目が離せない。

3年次編入学だそうですが、鹿屋体育大学を選んだ理由を教えてください。

原口 父が3期生で、卒業生なんです。スポーツのことを学問として学びたかったということと、父からよく話を聞いておりましたので、親近感がありました。ヒューマンアカデミー福岡校スポーツカレッジの中に当時「鹿屋体育大学編入学コース」というのがあって、高校卒業後そこで2年間、“受からなければ人生はもう終わり”というぐらい自分を追い込んで、寝る時間も惜しんで勉強したおかげで合格することができました。

高校3年生の時には甲子園にも行かれています。大学では野球はされなかったのですね。

原口 大学3年から中途半端にやるぐらいだったら、野球じゃないところで自分の成果を出したいと思っていましたので、もう野球はやらないと決めていました。①大学院に受かること②前田明先生のゼミで卒業論文をしっかりと書き上げること③英語の勉強をすること、という3つの柱を立て、授業が終わったあともアルバイトの時間まで図書館で勉強をする日々でした。前田先生のゼミではバイオメカニクスについて深く学べたのはもちろん、プレゼンテーションに関する文字の配色や大きさ、話の順番まで細かく指導していただきました。ゼミで鍛えていただいたおかげで人前で話すのが苦にならなくなりましたし、バイオメカニクスの専門知識は今もスポーツ中継等で生かされています。
ゼミには優秀な先輩がそろっていたので、1つ上の先輩や大学院の先輩方の話を聞きながら自分の夢が定まってきて、海外への留学も視野に入れて筑波大学の大学院に進学することを決めました。英語の面でサポートしてくださったのは、国重徹先生です。毎週課題を出していただき、その宿題を持って国重先生のところに通うということを2年間続けた結果、TOEICの点数が250点ぐらいUPしました。英語を克服できたおかげで、大学院に合格できました。学生時代も静岡放送に入ってからもそうなんですが、ここぞという時にサポートをしてくださる方が周りにいて、自分の能力以上のものを引き出してもらえるので、環境や人にいつも恵まれていると感じています。

アナウンサーを志したのは?

原口 大学院に進学した時は研究者になりたかったのですが、同時にスポーツメーカーに研究者として入りたいとも思っていました。大企業に入るには?と考えたときに、面接での会話力が必要だと思ったんです。そこで、テレビ朝日のアナウンススクール「アスク」に入ったのがきっかけです。

アナウンサー試験を30社ほど受けたとか。

原口 100社ぐらい受ける人もいるので、30社は苦労のうちにも入らないですね。仮にアナウンサーになりたい人が100人いたとして、東京の放送局に受かった順に人が抜けていくんですよ。受からなかったことでネガティブになっていく人は、次の試験を受ける前にその競争から外れていくんです。UHB北海道文化放送を受けた時に、準決勝と言われるカメラテストまで8人残ったのですが、7人合格して落ちたのは僕だけだったんです。とてもショックを受けて、自分って才能がないのかなって思った時に、「あ、これが恐らくアナウンサーをあきらめる要因なんだな」って思いましたね。鹿児島の放送局から総合職で内定をいただいていたのですが、アナウンサーをどうしてもあきらめきれずに、最後のチャンスで受けた静岡放送に合格しました。最後まであきらめなかったことが大きかったと思います。

漫画、アニメ、ゲームが趣味だそうですが、番組にも生かされています。料理の腕もプロ並みだと周りの方から言われています。

原口 自分の中では常に+αが必要と思っていて、漫画、アニメ、ゲームに関しては自分でも特筆すべきスキルだと思っています。好きって言うのはだれでも言えるので、どう好きか、何が好きかと問われたときに深く語れる自信はありますし、そこには他のアナウンサーには負けないこだわりを持っています。料理は学生時代に鹿屋のバイト先の居酒屋で、かなり鍛えられました。

最後に後輩たちへのアドバイスがあれば。

原口 総合大学など大きな大学だと学生の小さな声はなかなか拾ってあげられないと思うのですが、鹿屋体育大学は支援体制が充実していて、自分がやりたいと思っていることを追い続けられる環境にあると思います。スポーツや学業、研究、趣味など、今頑張りたいと思っていること、頑張らなきゃいけないと思っていることをひたすら突き詰めて突き進んでいけば、それがのちに自分の財産になると思います。

(取材・文/西 みやび)

※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。