『SPORTEC2025 第2回スポーツパフォーマンスフォーラム IN 鹿屋体育大学』を開催しました!
2025/03/21
「スポーツ人口を増やし、スポーツ競技力向上と健康社会を実現する」をビジョンに掲げ、スポーツを「もっと身近に」「もっと推進する」ことを目的に2009年から東京ビッグサイトで開催されているスポーツ・健康まちづくり総合展『SPORTEC』。その鹿屋体育大学版が、昨年に続き令和7年3月15、16日の2日間、「スポーツパフォーマンスフォーラム IN 鹿屋体育大学」【主催:SPORTEC実行委員会、国立大学法人鹿屋体育大学、協力:日本トレーニング指導者協会(JATI)、後援:鹿屋市】と題して本学のSPORTECスポーツパフォーマンス研究センターで開催され、全国各地から162人が参加しました。また会場内にはスポーツパフォーマンス向上に関連する協賛企業8社のブースと体験コーナーが設けられ、ビジネス交流が活発に行われました。
はじめに前田明理事・副学長(SPORTEC実行委員会副委員長)から本学の歴史や30年後を見据えた本学の大学ビジョン「NIFS NEXT30」、A.C.E.Kanoyaを目指そうプロジェクト、毎年夏に東京ビッグサイトで行われる日本最大のスポーツの展示会SPORTECを運営しているTSO International株式会社とネーミングライツ・パートナー契約を締結し、SPORTECスポーツパフォーマンス研究センターのネーミングになった今回の会場でもある世界に誇る施設の紹介がありました。また、金久博昭学長と中西茂鹿屋市長が先日行ったスポーツ実施率日本一共同宣言、2日間のプログラム内容についての詳細な説明があり「SPORTECは展示会だけでなく、セミナーもセットになっているのが利点で、スポーツパフォーマンスフォーラムで皆さんとお会いできるのは大変貴重な機会です。鹿屋体育大学ならではの施設とA.C.E.Kanoyaを目指す学生アスリートの人材を生かし、民間の皆さまの新しいアイデアとコラボすることでKANOYAモデルをつくり、日本、世界へ発信していくそのきっかけとなるフォーラムにできればと思います」と挨拶しました。
初日は亀田麻依特任助教(鹿屋体育大学スポーツイノベーション推進機構・スポーツパフォーマンス・コーチング部門)による「スポーツパフォーマンス研究センターの測定機器について(フォースプレート、モーションキャプチャーシステム)」と題した実践を交えたセミナーからスタート、3社の企業PRプレゼンテーションを挟み、「パリパラリンピックでのメダル獲得に向けたデータの活用事例~日本車いすテニス協会におけるデータ活用戦略~」のセミナーが行われ、大澤啓亮特任助教(本学同機構・同部門)と松本賢次氏(日本車いすテニス協会ナショナルコーチ)の事例発表の後、本学スポーツ・武道実践科学系の村上俊祐講師(同機構・同部門兼任)をコーディネーターに、佐藤慶氏(日本車いすテニス協会ハイパフォーマンスディレクター)も加わり、パネルディスカッションが繰り広げられました。
2日目は大澤啓亮特任助教と鈴木智晴特任助教(同機構・同部門)による「SPORTECスポーツパフォーマンス研究センターの測定機器について(トラックマンテニスレーダー、ラプソード)」の実践セミナーからスタート、3社の企業PRプレゼンテーション後に「スポーツパフォーマンス分析のデータを活かした最新のコーチング」と題し、桂良太郎氏(株式会社Best Performance Laboratory代表取締役/JATI-AATI)、油谷浩之氏(バレーボール女子日本代表ストレングスコーチ/JATI副理事長)、榮樂洋光本学スポーツ・武道実践科学系講師(同機構・同部門兼任)、小崎亮輔本学同系講師(同機構・同部門兼任)の4人の事例発表後に髙橋仁大部門長(同機構・同部門)と島典広氏(東海学園大学スポーツ健康科学部教授/JATI理事)をコーディネーターに、会場からの質問にも答えながらパネルディスカッションが行われました。
12時15分からはJATIランチョンセミナーとして、菅野昌明氏(豊田合成ハンドボール部Blue Falconストレングス&コンディショニングコーチ/JATI理事長)から「データを活かした最新のコーチング」を現場に広めるための人材育成についての講演があり、13時から花城健太氏(株式会社Rapsodo Japan Diamondo Sports部門Business Manager)による「ラプソードによるデータ測定と指導の実例」、八木裕久氏(株式会社テック技販東日本営業所営業部)から「~野球におけるフォースプレートの活用~即時フィードバックアプリForce Vision」について話があり、本学硬式野球部の水野勇一投手(スポーツ総合課程2年)の投球動作に基づいて鈴木智晴特任助教が解説を行いました。2日間のセミナーには本学から多くの教員が登壇しました。
SPORTEC事務局長でTSO International代表取締役の佐々木剛氏は「昨年に引き続き今年も鹿屋で開催することができて、ありがたい限りです。アクセスの問題など課題はありますが、鹿屋に行ってみたいという声も多く、とてもいい形で定着してきたと感じております。鹿屋で築いたノウハウをさらに広げていくために、今後はスポーツ庁等の協力もいただきながら、来年はアジアのゲートウェイ、ハブとして注目されている沖縄でも開催し、最先端のスポーツ科学の発表の場や研究者の交流の場所にしたいと考えております」とコメントしました。
閉会にあたり髙橋部門長から協力、後援、協賛いただいた企業、関係したすべての皆さまへの謝辞があり、「最近“エビデンスベースドコーチング”という言葉をよく耳にし、科学的根拠の重要性が叫ばれています。対照的に、コーチングやパフォーマンスの現場から新たなエビデンスに繋げていくような、“コーチングベースドスタディーズ”を鹿屋体育大学が率先して進めていくことも、ひとつの分野としてあるのかなということを今回感じました。来年度以降もこのフォーラムは継続して行う予定ですので、またご参集いただければと思います。2日間本当にありがとうございました」と感謝の気持ちで締めくくり、フォーラムはお開きとなりました。