日本で唯一の国立体育大学

国立大学法人 鹿屋体育大学 KANOYA

令和7年度第1回留学フェア(JICA海外協力隊連携派遣2024年度活動報告会)を実施

2025/07/14

令和7年7月3日、国際交流センターは令和7年度第1回留学フェアを開催しました。この留学フェアは、留学や海外での活動、語学習得に関心のある学生等を対象に、留学経験者が自らの経験を共有することを目的として毎年開催しているものです。

今回は、令和6年度に本学とJICA(国際協力機構)が締結した連携派遣に関する覚書に基づき、初代短期隊員として令和7年2月から3月にかけてペルー共和国で柔道指導に携わった武道課程4年の岡野佐弥香さん、原田菜々子さんが報告を行いました。当日は学外関係者もオンラインで視聴し、学内外あわせて40名の参加がありました。

冒頭の国重徹国際交流センター長による開会挨拶・趣旨説明では、初年度となる本派遣が無事に終了できたことについて、立案から実施に至るまで連携派遣事業に関わり支えてくださったJICAの関係者を始め、全ての方への感謝の意が示されました。また、初めての派遣に自ら手を挙げて参加し、模範的な姿勢で責務を全うした報告者二人への感謝も述べられました。

続いて、柔道部顧問教員の小澤雄二教授から、隊員としてしっかり責任を果たした岡野さんと原田さん、次に案件を実施するにあたって難しい問題に直面した際に相談に乗ってくださったJICA青年海外協力隊の事務局やJICAペルー事務所の皆様、そして今回の引率を引き受けてくださった講道館八段の山縣住雄先生へ、敬意と感謝が述べられました。また、会場に来ている学生に向けて、「留学の目的は人それぞれだが、自分の特徴をどう活かし、自分の力をどのように発揮できるのか考えながら、ぜひ挑戦をしてみてほしい」と激励しました。

岡野さん、原田さんによる報告では、配属先であるペルー日系人協会を拠点に、リマ市内の複数の道場で巡回指導を行った様子を、写真や動画を効果的に用いて発表され、ペルーの道場で子供から大人まで一緒に稽古する中で得た経験や、柔道を取り巻く環境が日本とは大きく違う中でも、言葉や国境を越えて共有した柔道への情熱など、実際に現地で交流し、指導したからこそ得た気づきをしっかりと言語化して参加者に伝えることができました。また、「普段は柔道に触れる機会の少ない現地の日本人学校や日系関連施設で柔道の紹介をする機会にも恵まれ、文化的な交流を行いながら、柔道の持つ教育的な価値を再認識することができました」とのまとめがありました。

報告に続いて、JICA青年海外協力隊事務局の綿山友子様から、「岡野さん、原田さん、素晴らしい活動をありがとうございました。初代として相応しい活動であり、地域の方々との交流やボランティア活動を行う中で多様な文化・社会への理解を深めるという青年海外協力隊としての活動目的の一つを、柔道を通してしっかりと体現してくれました。これをきっかけに、国際社会や国際協力に引き続き興味を持ちながら、これからの人生を進めていただきたいと思います。また、連携派遣は2回目、3回目と続きますので、引き続き大学の皆様のご協力をお願いします」と総評をいただきました。

最後に、柔道部副顧問教員の小崎亮輔講師が閉会挨拶を行い、「今回活動を行った二人は、日々研鑽している柔道の技と心が、世界でも通用するということを実感できたと思います。私自身、学生時代にアフリカの選手と柔道の練習をした経験が今の職業へとつながっているので、このような国際交流は、個人の将来のビジョンに良い影響を与えると身をもって感じています。本日は柔道以外にもいろいろな競技をしている学生が参加していますが、世界で通用する“武器”となる知識や興味を、本学の恵まれた環境を活かして日々大切に育んでほしいと思います」とメッセージを送りました。

本事業では、今後、長期隊員(2年間)も含めて5名を派遣する予定です。初代の岡野さん、原田さんからバトンを受けた学生の、今後の活動がさらに充実したものになるよう、大学としても引き続き支援を行って参ります。

報告を行う原田さん(左)と岡野さん(右)
JICA綿山様より総評をいただく様子