森克己教授の最終講義が行われました!
2026/02/24
令和8年2月17日、本学水野講堂大ホールにおいて、スポーツ人文・応用社会科学系の森克己教授の最終講義が行われました。講義テーマは「スポーツにおける子どもの権利保障と法的課題:研究・教育・実践の25年」です。
森教授は、憲法・教育法・スポーツ法を専門としており、2008年にバース大学を訪れた際、イギリス柔道連盟が策定したチャイルドプロテクション(CP)ガイドラインを目にしたことが、スポーツにおける子どものセーフガーディング研究を始める契機となりました。「日本ではスポーツにおける子どもの人権が十分に保障されていない」と感じたことから、これまで科学研究費補助金の交付を4回受け、11回にわたる英国調査を通じてセーフガーディング研究を継続してきました。
英国では、1990年代半ばにスポーツ指導者による性的虐待事件が社会問題化したことを背景にCP制度が発展し、コーチング資格取得時のCP研修の必須化、指導者だけでなく保護者等も対象とした研修制度、不適格者排除のためのDBS制度の導入など、子どものスポーツ活動全般に関わる包括的なアプローチが制度の実効性を支えています。講義では、こうした英国の先進的な取り組みが紹介されました。
また、森教授は2021年3月より日本で唯一のIOC(国際オリンピック委員会) Safeguarding Officer Certificate Advisory Boardの委員として活動し、IFやNOCなどのスポーツ団体における虐待・ハラスメント防止の専門家であるSafeguarding Officerの育成にも貢献しています。講義では、IOCの人権戦略やOlympic Agenda 2025+5におけるアスリート保護制度についても解説がありました。
結びとして、日本のスポーツ現場では、セーフガーディングを単にコンプライアンスの問題として捉える傾向があり、英国やIOCの動向と比べて子どもを守るための実効性ある制度が依然として整っていない現状を指摘し、スポーツ基本法の個別法を制定し、専門機関の設置や全競技横断的な指導者資格制度の整備、さらには「子どもの権利を中心に据えたスポーツシステムの構築が不可欠である」と強く訴えました。
講義の終盤では、昨年度退職した山田理恵名誉教授の最終講義に登場した、徳島県阿南市のチアリーディングチームABO60(「あ」なん、「ベ」ースボール、「お」ばちゃん、「60」歳以上)がビデオ出演。アンコールでは、森教授となぎなた部学生、特別ゲストの山田名誉教授が登場し、「栄冠は君に輝く」に合わせたABO60オリジナルの健康体操を披露し、会場は大いに盛り上がりました。
講義後には、金久博昭学長より挨拶が述べられ、続いてスポーツ人文・応用社会科学系を代表して菊地原守講師から花束が贈呈されました。その後、森教授の謝辞があり、記念撮影を行って、最終講義は終始温かく和やかな雰囲気の中で幕を閉じました。





