棟田雅也助教が「日本野外教育学会第26回大会」で若手優秀発表賞を受賞
2023/07/12
令和5年7月1日~2日に北海道教育大学岩沢校で開催された「日本野外教育学会第26回大会」において、本学の棟田雅也助教(スポーツ人文・応用社会科学系)が大阪体育大学の徳田真彦講師、岡山大学の高岡敦史准教授とともに若手優秀発表賞を受賞し、金久博昭学長に報告を行いました。受賞論文のタイトルは「アウトドアスポーツツーリストにおける自然環境保全意識の先行要因と結果要因―トレイルランニングイベント『FORESTRAIL HIRUZEN-SHINJO』の大会コンセプトの理解度、満足度、および行動意図に着目してー」です。同大会での若手優秀発表賞の受賞は、昨年に続き2回目になります。
この研究の目的は、アウトドアスポーツツーリストの大会コンセプトの理解度、満足度、および行動意図との関連性に着目し、自然環境保全意識の先行要因と結果要因を明らかにすることにありました。そこでトレイルランニングイベント「FORESTRALL HIRUZEN-SHINJO」の参加者を対象に調査・分析を行った結果、これまでアウトドアスポーツツーリストの自然環境保全意識の構成概念を説明できる理論は確立されていませんでしたが、①「配慮」②「興味・関心」③「社会的問題認識」の3因子22項目で構成されることを明らかにすることができました。また、自然環境保全意識の向上には大会コンセプトの理解度が影響を及ぼし、将来の行動にもつながることが分かり、アウトドアスポーツ界への貢献に寄与すると考えられます。
報告を受けた金久博昭学長は「こういったアプローチの仕方そのものが例としてはまだそんなに多くはないと思うので、とても面白い内容になっていると思います。我々が地域貢献としてイベントを行う際に20年後、30年後を見据えれば、ただ山があり、川があり、海があるからやるのではなく、まさに大事なのが今回の受賞内容でもある“コンセプト”だと言えます。そのときそのときにベストな手法を使って可視化していく姿勢をこれからも大事にしてほしいですし、若い研究者にお願いしたいのは、内向きにならないで国際学会にも目を向けて学生をも連れていくぐらいの勢いを持ってやっていただきたいということ。今回の学会発表も、ぜひ論文としてまとめてもらえることを期待しています」と激励しました。
棟田助教は「例年に比べて選考対象者も多い中で受賞できたことに喜びを感じると同時にホッとしました。選考者からは“研究のオリジナリティーおよび有用性に関しては満点だった”といった高い評価もいただくことができました。3年計画でトレイルランニングイベントの参加者を追いかけるという目標もありますので、今回のメンバーで引き続き調査を行い、データを集めていずれは論文にできたらと思います」と受賞の喜びと抱負を述べました。
共同研究者のコメントは以下のとおりです。
大阪体育大学・徳田先生
アウトドアスポーツイベントが持続可能的に開催されていくためにも、大会運営者や参加者を中心として、自然環境との「在り方」について意識を持つことが最初のステップであると思います。引き続き研究を深め、アウトドアスポーツと自然環境とのより良い在り方について検討していきたいと思います。
岡山大学・高岡先生
FORESTRAILという自然環境保全と環境教育的な意義を重視した大会をデザイン&マネジメントしたことの効果が実証でき、しかも学会発表として評価され、とてもうれしく思います。

