「男女共同参画シンポジウム」が開催されました
2023/03/02
令和5年2月19日(日)、鹿屋体育大学男女共同参画推進室主催による「男女共同参画シンポジウム『鹿屋発!ジェンダー平等を考える―ダイバーシティ&インクルージョンの視点から―』」が開催されました。 このシンポジウムは、鹿屋市市民課男女共同参画推進室の後援を受けて、大学と地域とが連携してジェンダー平等や男女共同参画の意義と課題を検討することを目的としており、市民、本学の学生、教職員約30名が参加しました。
ジェンダー平等の問題は、国連が推進するSDGsでも取り上げられており、日本でも社会全体で取り組むべき課題となっています。社会に向けて広く伝えることを仕事とする新聞記者の方々の組織である新聞労連では、ジェンダー平等を日本で早く実現するためには、まずメディアが発信する記事から見直さなければならないという危機感から「新聞労連ジェンダー表現ガイドブック編集チーム」を編成し「失敗しないためのジェンダー表現ガイドブック」を出版しました。
シンポジウムの第Ⅰ部では、この本の執筆・編集を担当された乾栄里子氏(全徳島新聞労組)、小川麻希氏(南日本新聞社)と、鹿屋市男女共同参画審議会会長を務める本学の森克己教授が基調講演を行いました。
基調講演の一人目として登壇した乾氏は、主に性犯罪やセクシュアル・ハラスメントの問題を通じて報道する側の表現が生むジェンダー問題や、取り巻く環境や人の変化について、ご自身の体験を交えて話し、最後は情報の受け手側もニュース等について常に問題意識をもってほしいと呼びかけました。二人目の小川氏は、ご自身が執筆を担当された前述のガイドブックの第1章「ジェンダーの視点で見る表現」に沿って、無意識の偏見や過剰な性別表示など様々なシーンで使われている表現を例示しながら相応しい表現は何か、その表現はマイノリティの方への配慮できているのか等について説明しました。そして、SNS等で誰もが発信者となる時代に「もやもやすることはないか」、「科学的根拠はあるか」、「傷つく人はいないか」等をチェックしながら表現してほしいと話しました。最後に登壇した森教授は、内閣府や鹿屋市が実施した性的役割分担意識などについてのアンケート調査結果を説明するとともに、ワーク・ライフ・バランスの重要性、学校におけるジェンダー問題に関する教育の重要性等について講話をしました。
第Ⅱ部のディスカッションでは、実際に参加者自身が体験しているワーク・ライフ・バランスに関する問題などについての質疑応答や、今後の改善策や検討課題についての意見交換が設定時間を超えて活発に行われ、ダイバーシティやインクル―ジョンの視点からジェンダー問題について考える貴重なシンポジウムとなりました。