日本で唯一の国立体育大学

国立大学法人 鹿屋体育大学 KANOYA

前田博子教授の最終講義が行われました

2023/02/26

令和5年2月22日、大学院棟3階大講義室において、前田博子教授(スポーツ人文・応用社会科学系)の最終講義が「女性スポーツとジェンダー」と題して行われ、対面とオンライン配信で行われました。

「「講義」というからには講義をしたいと思う」と切り出された前田先生。70分を超える講義時間の約8割の時間をかけ、女性とジェンダーについての歴史的背景や流れから、現代における課題と考える点について、短時間でもよくわかるように纏めた内容で講義されました。

基本的に女性の問題は人権問題なのですが、その認識は非常に低く、1960年代後半の「ウーマンリブ」の情報は女性にも共感が得られない偏見に満ちたものであったことなど、揶揄と軽佻に包まれてきたとし、体育・スポーツに関わる分野として教育現場の経緯からは、体育実技が未だに男女は違うという意識を生徒に強調していること、オリンピックの経緯からは、競技種目の男女差がなくなってきたことを示しました。また現代においては、性の多様性を踏まえた「女とは誰を指すのか」というものであること等を問題提起する、盛り沢山で興味深い内容の最終講義でした。さらに、自身も第1回全日本女子サッカー選抜大会に出場したほどの選手で、日本サッカー協会公認の1級審判員である経験の中で味わったジェンダー問題について語る際は、サッカー界における女性の立ち位置の認知度アップ、改善に力を尽くしてきた一人者としての想いが詰まった内容を熱く話しました。

「講義」の後には、大学教員になったきっかけ、携わってきた学会や大会運営及び鹿屋体育大学への要望、指導した卒業論文がここ5年間ほどで随分「ジェンダー」を取り上げてくるようになったことなど、30年の在籍期間を振り返って話し、今後は「しばらく身体と心のメンテナンスをして、次のステップの準備期間とする。「Happy Retire」です」と笑顔で締めくくりました。

ご自身の経験も交えながらの講義の様子の写真
ご自身の経験も交えながらの講義の様子
棟田雅也助教(同系)からの花束贈呈の写真
棟田雅也助教(同系)からの花束贈呈
会場の参加者と最後に記念撮影
会場の参加者と最後に記念撮影