日本で唯一の国立体育大学

国立大学法人 鹿屋体育大学 KANOYA

スポーツをカタルガ!シンポジウムが開催されました

2023/01/11

(写真左から)沼田特任助教、鈴木特任助教、蜂須賀さん、秋葉さん、松木アナウンサー、棟田助教

令和4年12月16日、「鹿屋体育大学スポーツをカタルガ!シンポジウム 大学スポーツ観戦の価値を数字(データ)で高める!-語り手はどう仕掛けるのか-」がオンラインで開催され、本学水野講堂から配信されました。

はじめに、棟田雅也助教がシンポジウムの開会にあたり、スポーツを「語る」ことに着目した今回のプログラムの趣旨を説明しました。その後講演に移り、まず本学スポーツパフォーマンス研究センターの沼田薫樹特任助教が「バレーボールの数字(データ)の見方」と題し、講演しました。近年、バレーボールにおいて、試合中のリアルタイムのプレーデータがその場で戦術の検討や実況・解説に活用され、スポーツの価値がより高められていることについて、日本や海外の大学バレーボール、Vリーグや国際大会でのデータ活用の事例を交えながら話しました。続いて、同センター鈴木智晴特任助教から「野球の数字(データ)の見方」として、野球でもバレーボールと同様にリアルタイムであらゆるデータが測定され、それらのデータがテレビ中継などでよく見る球速やボールの弾道がすぐ見られる仕組みに活用されていること、ボールの回転数を計測するシステムなどを用いることでどうすればヒットが打てるのか、バッターに打たれないボールが投げられるのかなどのコーチングに活かすことができることなど、野球におけるデータの見方・活用方法について講演しました。

また、MBC南日本放送アナウンサーでスポーツ実況等も担当する松木圭介氏が「スポーツを語るための仕掛けづくり」と題し、スポーツ実況中継とはどのようなものか、どの場面で、どんな声で、どのように伝えたらスポーツを見ている・実況を聞いている人に分かりやすく伝わるのか、感情を動かせるのか、松木アナの現場での経験や実感を踏まえた「語る側」のリアルな視点でスポーツを語ることについて講演しました。

その後、参加者からの質問に講師の3名が答えるという形で、パネルディスカッション「大学スポーツ観戦における数字(データ)の活用と伝え方」が行われました。その中で、昨年9月に実施した「スポーツを数字(データ)でカタルガ!-語るスポーツ養成プロジェクト-」に参加し、松木アナとバレーボールの実際の試合実況に挑戦した学生2名がプログラムに参加した感想を述べました。秋葉笑里さん(武道課程3年)は、「今回、数字・データに着目してバレーボールを実況したことで、新たな視点でスポーツを楽しむことができました。今回の経験をもとに、卒業研究で実況が視聴者や選手に及ぼす影響や実況のあり方について調べていきたいです。将来もスポーツに関わりたいと考えているので、スポーツを様々な視点から見て、その価値や魅力にふれていきたいと思います」と参加した感想と、今回の経験を活かした今後の研究への抱負などを話しました。また、蜂須賀友助さん(スポーツ総合課程3年)は「これまで実況や解説は選手のストーリーや背景が主だと思っていましたが、数字に着目してみるとこれまで見えてこなかった部分が見えたり、試合が次にどうなるかという予測ができたりするので、わくわくしながらスポーツをみることができるようになりました。将来はアナウンサーになりたいという夢を持っており、今回の経験で伝える立場になりたいという思いが強まりました」と参加して自身のスポーツ観戦での見方が変わり、将来の夢への思いが強まったことを話してくれました。

最後に、本学スポーツアライアンス室長の平川康弘理事・副学長が閉会の挨拶を行い、これからのDXの時代において大事になる数字(データ)について、スポーツ分野においては本学も大学として最先端の機器や設備が整っている環境を活かして研究力を発揮できるようにしていきつつ、これからの時代を担う学生の育成に今後も引き続き取り組んでいくという決意の言葉で締めくくりました。

発表者の発表の様子の写真