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国立大学法人 鹿屋体育大学 KANOYA

笹子悠歩助教が国立大隅青少年自然の家との共同研究で奨励発表賞を受賞

2022/10/04

令和4年9月24~25日に行われた日本海洋人間学会第11回大会において、本学の笹子悠歩助教が奨励発表賞を受賞しました。

受賞したのは、生きる力の向上を目的とした青少年教育事業のプログラムに関する検討;国立大隅青少年自然の家主催の「海からのメッセージ」事業を対象とした事例研究です。国立大隅青少年自然の家(おおすみくん家)では、青少年の「生きる力」の向上を狙いとした事業の一環として、毎年夏に青少年の教育事業「海からのメッセージ」を開催しています。しかし、これまでどのような点を考慮してプログラムを立案すれば良いのかについて、具体的には示されていませんでした。本研究では過去6年間分の参加者のデータを基に分析を行い、どのようなプログラムを行った時に参加者の生きる力が特に向上しているのかを明らかにしました。

ポイントとしては①錦江湾の縦断などの具体的な達成目標を掲げること②5泊6日以上の日程にすること③カヌー以外の運動もプログラムの中に取り入れること、の3点が重要であることがわかりました。また、参加者個人の変化に着目した検討を行った結果、参加者の生きる力の初期値を考慮した上で、プログラムを立案する必要性が考えられました。今回の研究結果が、今後「海からのメッセージ」のプログラムを立案する際の有益なヒントになることが期待されます。

受賞の報告を受けて金久博昭学長は「まずは受賞について大変うれしく思います。大学の施設として誇れるものの一つが海洋スポーツセンターですが、大隅にはもう一つ国立大隅青少年自然の家という立派な施設があり、これだけの近い距離に自然にかかわる国立の施設が2つもあるのは世界の中でもここ大隅だけだと思います。本学の場合、指導者の養成、競技力の向上、社会貢献、社会連携といったことを少ないマンパワーで頑張らないといけませんが、自分たちだけでやろうとするのではなく、今回の共同研究のように地域の方々とうまく連携してしっかりと業績を積んでいくことが大切だと思います。今後は追跡調査をして次のステップへの資料を得るアイデアも必要となってきます。笹子先生の若い研究者としての今後に期待しています」と激励しました。昨年の同大会での優秀発表賞に続き2年連続の受賞となった笹子助教は「おおすみくん家との共同研究でこのような賞をいただけて、大変光栄に思います。鹿児島には錦江湾という素晴らしいフィールドがありますので、これからもおおすみくん家と協力しながら、地域の子どもたちに役立つ研究を行っていきたいと考えています」と喜びの声とともに今後の抱負についてコメントしました。

写真左から、国立大隅青少年自然の家次長・中尾奨さん、金久学長、笹子助教、同青少年自然の家・牟田典丘さん(共同研究者)、中村夏実教授(共同研究者)