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国立大学法人 鹿屋体育大学 KANOYA

吉重美紀教授の最終講義「ことばの教育~連携と共生へ~」が行われました!

2024/03/05

令和6年2月22日、大学院棟大講義室で吉重美紀教授(スポーツ人文・応用社会科学系)の最終講義「ことばの教育~連携と共生へ~」が対面で行われ、学内外から多くの関係者が集いました。吉重教授は1996年4月に講師として本学に着任、2002年1月~助教授、2012年10月~教授、鹿屋体育大学国際交流センター長(2013年4月~2019年3月)やアドミッションセンター長(2020年4月~2022年3月)を兼務し、本学学生、大学院生への英語教育はもちろん、留学生の英語教育、日本語教育にも尽力しました。

最終講義では昨年秋に出版された『AI時代に言語学の存在の意味はあるのか?』(ひつじ書房)、『英語の教室で何ができるか』(開拓社)というインパクトのあるタイトルの言語教育関連図書2冊の表紙が最初にスクリーンに映し出され「教職員の皆さんが若い頃に学んだ語学と、いま学生たちが学ぶ語学というのは変わってきていると思います」の言葉ととともにスタート。言語教育の変遷やヨーロッパ・米国の言語政策、国内の大学英語教育におけるESP教育(English for Specific Purposesの略)の紹介など、前半「英語教育」の話がありました。

「日本語教育」をテーマにした後半では、留学生にとって日本語授業の教室が国籍・民族・年齢・性別を超えた安全・安心な1つの社会の場になっていること、日本語教師と専門教員が連携を取ることで留学生への専門科目や研究への橋渡しができること、本学留学生が外国人日本語スピーチコンテストなど鹿屋市での地域交流イベントに参加したり学内の公開講座に参画することで、本学に留学生が在籍することを地域の方々に知ってもらえ、教室から地域社会への“足場かけ”の役割を担えることなどの振り返りがありました。最後に「今日のテーマであることばの教育には学内の連携が重要で、日々の生活や授業の中で相互のつながりを持てる機会がもっと増えれば、学生や留学生がもっとハッピーになれるのではないか。教室というひとつの社会で口頭発表やグループ活動などコミュニケーションを通して学生がつながりを感じ共に生きていこうと思える、そんな教室をつくっていくことこそが、生成AIの時代になっても私たち言葉の教師ができることなのではと思っております」という言葉で締めくくられました。

講義修了後に金久博昭学長から四半世紀以上にわたり本学の教壇に立ち、学生や留学生のご指導をいただいたことへの謝辞が述べられ、吉重教授の後任のアドミッションセンター長・中本浩揮准教授からスポーツ人文・応用社会科学系の教員を代表して花束贈呈、続いて学外から駆け付けた教え子からも花束が贈られ、会場となった大講義室は鳴りやまぬ拍手に包まれました。その後、場所を移して吉重教授とともに日本語教育の授業を担当した日本語補講外部講師の春口由紀先生、村上淳子先生、亀澤奈津美先生主催による茶話会が開かれ、本学留学生一人ひとりが吉重教授への感謝の気持ちを述べ、会はお開きとなりました。