最初の出会いは、本学での楽しい英会話の集い「いんぐりっしゅ☆る~む」だった。飲み物とお菓子が用意された部屋で、明るく笑顔で接してくださる国重先生のフレンドリーな人柄に、まず惹かれた。TOEICは満点の990点、多忙ながらも日本多読学会会長を務め、マンツーマン英会話では学生の成長を生きがいに英語のニーズやレベルに合わせて約20人の面倒をみる。英語が苦手だった学生が、ペラペラになったケースも。やる気を出させる天才なのだと思う。好奇心旺盛で趣味もウクレレ、カホン、ドラムにドライブ、B級グルメの料理作り、人間観察、格闘技・スポーツ観戦etc.と幅広く、美味しい店を見つけては足を運ぶ。周りの人をもハッピーにしながら、アクティブにエネルギッシュにポジティブに走り続ける。

—国重先生の研究内容を教えてください。

国重 2つあるのですが、1つは英語教育に関することで、鹿屋体育大学の学生が英語を使って現状よりもより良い形でコミュニケーションを取ることができるようにするための方法を言語、異文化理解、スポーツの観点から検討し、コミュニケーション能力を伸ばすためのプログラムを開発することです。もう1つは自分の専門分野である言語学についての研究です。中学・高校時代にたとえば、a. John sent Mary a love letter.という第4文型を同じ内容で第3文型に書き換えなさい、といった練習をしたと思います。sentの場合はtoを入れたら第3文型になるので、答えはb. John sent a love letter to Mary.です。また未来のことを表すwillは=be going toだと教わったと思うのですが、私が専門とする認知言語学では、形が異なれば意味も異なるというスタンスで言葉を分析、研究しています。つまりaには文意としてMaryにlove letterが届いたという意味が含まれるのですが、bには含まれませんのでa=bではありません。このような現象が英語にはいくつも見られるので、それらの現象を調べ、その結果を英語教育に応用する方法を研究しています。専門用語では応用認知言語学と言います。

—英語に興味を持ったきっかけと職業にした理由は?

国重 父親が中学校の英語の教師だったという影響が大きかったと思います。山口県出身なので岩国に米軍基地があり、父がよく自宅に黒人の軍人を連れてきていました。私はまだ幼稚園生ぐらいでしたが、父親が楽しそうに会話しているのを目の当たりにして、英語が話せたら友達の輪も視野も広がるということを感じました。自分自身留学をしたことで、外から日本を見て日本のいい点や改善すべき点を再認識するという貴重な経験ができて成長することができたので、ほかの人にも同じような経験をしてもらいたいと思うようになりました。

—ハワイ大学に留学したきっかけは?

国重 前任地の徳山高専にいるときに客員研究員で1年1カ月行かせてもらったのですが、ハワイ大学のホームページから言語学の先生を探して自分からアプローチしました。行く前はワイキキビーチ、常夏、フラダンスをイメージしてバカンスのつもりで舞い上がっていたのですが、実際に行ってみたら学生はみんなまじめに一生懸命勉強していて、ゼミの初日にアメリカ人大学院生に「あなたは私たちに何を与えてくれるのか」と尋ねられて、自分に専門的知識が不足していることを痛感しました。それからは心機一転して、寝ずに必死で勉強しました。ゼミの最終日にその大学院生に「認知言語学の知識を与えてもらって感謝している」と言われた時はうれしかったですね。

—鹿屋体育大学に着任したのは?

国重 大学院修了後、高校の英語教員を経て2カ所の高専に勤務しましたが、管理職になったことで会議等の時間が増え、学生との直接的なかかわりがあまり持てなくなってしまいました。そのような状況の時に鹿屋体育大学が英語の教員を公募していることを知り、大学という教育機関で英語教育に携わりたいという思いと、もう一度学生と直接触れ合い、学生の成長を喜び、私自身やる気をもらい、成長できる仕事がしたいと思い、当時52歳でしたので大学への移籍はこれが最後のチャンスだと思って応募して採用されました。

—国際交流センター長も兼務しておられます。

国重 本学のグローバル化のために直接貢献できるので、とてもやりがいがあります。特に同僚でネイティブの副センター長・エルメス先生とともに仕事をすることで、自分自身の学びもたくさんあります。コロナ禍においても学生がグローバルマインドを持てるように指導していますが、早くコロナが収束して海外短期研修や国際柔道セミナーなど、スポーツ・武道を通した国際交流イベントが再開できることを願っております。

—最後に本学の学生に期待することを教えてください。

国重 ただ単に英語力を伸ばすだけでなく、
1. どのような人とでも積極的に自らの殻を破ってコミュニケーションをとろうという意欲を身に付ける。
2. どのようなトピックに関しても、自分自身の意見を持つ。たとえば柔道やスポーツ心理学など、自分の専門は相手に伝えるべき意義のあるコンテンツなので、専門についても勉強して知識をたくさん持つ。
3. コンテンツを相手にうまく伝えるための英語力を身に付ける。
以上3つのことを身に付けてほしいですね。

(取材・文/西 みやび)

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