フットワークが軽く、話しかけやすい雰囲気の隅野美砂輝先生。年齢を重ねても年は取らず、永遠のサッカー少年のような容姿にサッカー部OBのカッコいいポロシャツがよく似合う。研究分野であるマーケティング力を発揮し、学生に寄り添える先生だと思う。趣味は音楽鑑賞で、ヒップホップ、ジャズ、ボサノバなど何でも聴くという一面も。サッカー部へのメディア取材の際は、サッカー部と大学広報の架け橋的な役割も果たしてもらえるありがたい存在である。

—隅野先生の研究内容をひと言で教えてください。

隅野 Jリーグファンの「感情」について研究しています。具体的に言うと、主にスタジアムで経験するファンの感情がその後の観戦行動にどういう影響を与えているかということについて研究しています。

—隅野先生はいつからサッカーを始めたのですか。

隅野 幼稚園の年中ぐらいからです。でも本格的に始めたのは中学生からで、1年生の途中から自ら志願してゴールキーパーになりました。中学生だった1990年にイタリアでFIFAワールドカップがあってNHKのBSで全試合放送されたのですが、そのときにサッカーって世界中の人が熱狂するスポーツなのだということを知り、そこからよりのめりこんでいった感じです。

—隅野先生は本学の12期生ですが、大学でもサッカー部だったのですね。

隅野 実は3年生が終わった段階で辞めました。個人としての競技力はさほど高くなかったし、大学院に進学しようと思ってそこからは卒論や勉強にシフトしました。

—弟さんも本学の卒業生だと伺っています。

隅野 7つ下で年が離れているので弟が小6か中1の頃だったと思いますが、私の在学中に鹿屋まで来たことがあって。弟もずっとサッカーをしていたので、サッカー場のグラウンドの環境を見たら自分も入学したいと思ったようです。

—学生時代は?

隅野 バイトもしましたが、今思うと自分でもよく勉強したなと思います。スポーツの歴史やバイオメカニクス、スポーツ社会学やスポーツの統計、コーチングなど、学生時代は学びが楽しかったですね。大学2年生の終わりには大学のプログラムを利用して、イギリスに3週間ホームステイにも行きました。イギリスはサッカーの本場ですから、ホストファミリーにサッカーの試合観戦に連れて行ってもらったのもいい思い出です。

—修士と博士は大阪体育大学大学院で取得されています。

隅野 ゼミでスポーツマーケティングを選択した時から、将来はスポーツマーケティングやマネジメントの方向に行きたいと考えていました。オリンピックやワールドカップ、プロスポーツなど、スポーツ自体がビジネスとして成り立っている領域の研究に興味があり、当時の鹿児島にはまだプロスポーツがなくて、大阪体育大学にJリーグに深くかかわっておられる先生がいらしたので、大阪に行くことを決めました。日本は競技力は高いのですが、未だスポーツ後進国ですよね。スポーツ自体がお金を生み出せていないということを、学生の時から感じていました。他の産業と同様にスポーツも、事業として成立させていくためにはお金が必要だという思いは今もあります。

—2002年に教員として再び母校の鹿屋に戻りました。

隅野 体育・スポーツを学びたいと思っている学生が来ている大学で教壇に立てる機会はなかなかないので、タイミングよく教員採用の公募があり本当にラッキーだったと思っています。

—隅野先生はサッカー部のマネジメントスタッフとして、競技日程や競技成績などを発信する仕事もされています。先生自体が課外活動の広報の役割を担っているのは珍しいと思うのですが。

隅野 サッカー部出身で、サッカーが研究分野だということがあると思います。学生に指導する立場として、現場を知らなければという思いもあります。研究としてのデータはJリーグで取るケースが多いのですが、幸い本学のサッカー部は天皇杯に出場したり、Jリーグと対戦して勝つこともあり、プロと比較しても遜色はないと思います。今年も1人Jリーグに入団しますが、卒業生のJリーガーはこれまで44人誕生するなど話題も多いので、大学スポーツに関心のある人口が増えれば、今後大学スポーツファンの感情についての研究も成り立ってくると考えています。

—卒業生でもある隅野先生から見た本学の魅力は?

隅野 スポーツをやること、学ぶこと。いずれもとことんできる環境が整っていることだと思います。ただし自分から動かないとダメで、先生に自らアタックして、主体的に取り組む姿勢や新しいことを始めることが大事だと思います。自分の可能性を生かせる環境はたくさんあるので、チャレンジしてほしいです。

—最後に学生に期待すること、メッセージをお願いします。

隅野 体育大なので、まずはスポーツを通じて社会に貢献できる人物・人材になってほしいですね。別の道に進む学生には、スポーツで培った力を使って、社会に貢献できる人材になってほしいと思います。

(取材・文/西 みやび)

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