日本で唯一の国立体育大学

国立大学法人 鹿屋体育大学 KANOYA

学長メッセージ

令和7年1月 年頭の挨拶 「夢」×「チャレンジ」

新年明けましておめでとうございます。旧年中は鹿屋体育大学をご支援いただき、誠にありがとうございました。本年もよろしくお願い致します。

新型コロナウイルス感染症の5類への移行から約1年半が経ち、令和6年度には、授業及び課外活動もコロナ禍前と同様な状態に戻りました。そのような状況の中、これまでに以上に学生の関心を集めたと感じたのが、学長裁量経費に基づいて企画される“学生挑戦プロジェクト”です。

本学では、通常の教育カリキュラムを越えた学生の自主的活動を支援する取り組みの一つとして、平成28年度より“学生挑戦プロジェクト”を実施しています。このプロジェクトでは、国内挑戦と海外挑戦の2領域が設定されており、採択者には旅費あるいは必要経費等が支援され、本学に在籍する学生であれば、誰しもが申請することができます。

学生挑戦プロジェクトにおいて“挑戦者”に採択されるためには、申請者は挑戦の背景や目的、目的達成に向けた具体的アプローチ等に関する審査会をクリアーしなければなりません。審査会でのプレゼンテーションや質疑応答の状況並びに課題の意義や達成の見込み等が総合的に評価され、“挑戦者”が決定されます。採択に至るまでの準備の大変さ故か、あるいは学生自身のチャレンジに対する意欲の不足によるものかは不明ですが、本プロジェクトが開始された平成28年度から令和5年度までの申請件数は年度平均4件でした。しかし、令和6年度は、これまでの最多となる11件の申請があり、審査の結果、4件の海外挑戦及び3件の国内挑戦が採択されました。

学生挑戦プロジェクトに申請される企画は、“競技力の向上”をメインテーマとするものだけではありません。令和6年度に採択されたプロジェクトについてキーワードから概観するに、その内容は「障がい者・スポーツ/運動イベント」「フランス・世界基準・レフリング」「イギリス・剣道・グローバル」「フィリピン・公立小学校・インターンシップ」「ドイツ・ジュニア育成・トレーニング科学」「柔道形選手権大会(U-23)出場・世界一」「地域貢献・スポーツの力・鹿屋体育大学野球部・価値向上」であり、学生は様々な視点からチャレンジしようとしていることがうかがえます。また、先に述べたように海外挑戦が国内挑戦を上回ったという点も、令和6年度の特徴といえるでしょう。

令和6年度入学生に対し、昨年4月に実施したアンケートの結果によると、本学で学びたい又は興味ある分野として、約65%の学生が第一に「競技の実技能力」を挙げており、教職あるいは実技外の各専門科目が関連する項目を選択した学生は、各項目当たり10%未満でした。つまり入学時点では、過半数の学生が「スポーツあるいは武道を実践する能力の向上」を第一に考えていることになります。また、ほとんどの学生が、入学から卒業までの4年間にわたり、入学時からの課外活動を継続します。それらの点を考えると、本学の学生は、大学生活の基盤として“専門とする競技を実践し続け、実技能力の向上をめざす”ことに、強いこだわりを持っているといえます。その姿勢は、体育大学に在籍する学生として誇らしいものです。一方で大学としては、本学での学びを糧に、国内外においてチャレンジを試みて欲しいという願いがあります。その思いを“学生支援”という形で具体化したのが、“学生挑戦プロジェクト”です。その成果は、学生個人あるいはその時限りのものとしてではなく、将来、我が国のスポーツや武道の新たな価値の創出につながると考えています。

例年、2月中旬から3月初旬にかけて、各プロジェクトの成果報告会が開催されます。令和5年度の報告会では、全てのプロジェクトの成果を確認しましたが、いずれも興味深い内容でした。今年度も例年と同様な時期に報告会が予定されています。学生達の挑戦の成果を楽しみに、報告会の開催を待ちたいと思います。

挑戦を伴ってこそ、夢は現実味を帯びたものへと変化します。学生のみならず皆様にとっても、この一年が「夢」×「チャレンジ」の年となりますことを祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。

本年も、ご指導、ご支援をどうぞよろしくお願い致します。

令和7年1月
国立大学法人 鹿屋体育大学長
金久 博昭

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