■ NIFS NEXT30の策定にあたって

 本学は令和4年10月28日、2050年を見据えた挑戦的なビジョンである、鹿屋体育大学ビジョン“NIFS NEXT30”を策定しました。

 時代は、デジタル駆動型社会として日々著しい変化を遂げています。情報通信技術の進歩は、スポーツ・健康づくりやアスリート支援の効率化・高度化を促進し、スポーツの「する」「みる」「ささえる」の在り方を大きく変えつつあります。
 そのようなスポーツを取り巻く状況の急速な変化に対し、本学は2050年をターゲットイヤーとする長期ビジョン“NIFS NEXT30”を策定し、「教育・学生支援」「研究」「国際化」「社会連携・社会貢献」を軸とするアクションプランに基づき、これまで以上にスピード感をもって対応することとしました。

 今後も国立で唯一の体育系単科大学として、スポーツ、武道、体育及び健康づくりの分野における教育・研究活動のより一層の充実に向け努力していく所存です。皆さまの本学への応援をよろしくお願いいたします。

令和4年11月1日
学長 金久 博昭

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■ NIFS NEXT30の策定

 鹿屋体育大学(National Institute of Fitness and Sports in Kanoya, NIFS)は、2021年10月1日に開学40周年を迎えました。本学は、開学以来、国立で唯一の体育系単科大学として、我が国のスポーツ、武道、体育及び健康づくりの分野における実践的かつ創造的で市民性、国際性を備えた指導者の養成を使命とし、教育と研究の充実を図るために様々な取り組みを推進してきました。

 一方、我が国のスポーツを取り巻く状況は、2000年以降、スポーツ庁の発足、スポーツ・健康づくりに関連する様々な政策の公布、社会のニーズ・関心の多様化、そして少子高齢化及び情報化社会の進展などにより大きく変化しました。なかでも、メガトレンドである情報通信技術の普及は、アスリート支援の高度化及び専門化を加速させると同時に、体力の改善と健康の増進を目的とした、運動プログラムのマネジメントや成果の可視化に多大な効果を発揮しています。情報通信技術の進展とそれに伴う社会状況の変化は、今後さらに加速されるであろうことは容易に想像でき、本学においても、これまで以上にスピード感を持って対応する必要があります。

 本学は、2004年4月1日の法人化以降、6年間を一つの区切りとして、達成すべき業務運営に関する目標及びその方法を、それぞれ中期目標及び中期計画として定めてきました。しかし、社会状況が急激に変化する時代においては、スポーツの価値に纏わる「不易流行」を考慮しつつ、6年単位の中期目標及び中期計画をつなぐ数十年単位の長期ビジョンのなかで、大学としての教育、研究、国際化及び社会連携・社会貢献の方向性を定めていく必要があります。  

 そこで本学は、我が国のスポーツの各領域において、将来的にも先導的役割を果たす大学であることをめざし、2050年をターゲットイヤーとする長期ビジョン“NIFS NEXT30”を策定しました。

 

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■ NIFS NEXT30におけるミッション

 NIFS NEXT30では、「教育・学生支援」「研究」「国際化」「社会連携・社会貢献」を重点領域とし、以下のミッションの達成をめざします。
 なお、NIFS NEXT30におけるミッションは、新たな中期目標・中期計画の開始年度において、改めて見直すものとします。

Ⅰ.「教育・学生支援」 

 学生一人ひとりの実践力、創造的発見力、課題解決力を最大限伸ばす教育及び学生支援を組織的・体系的に展開し、スポーツ、武道、体育及び健康づくりの各領域における中核的・リーダー的人材の育成をめざします。

A.C.E. Kanoya【活気ある(Active)独創的な(Creative)精鋭(Elites)】の育成

▶スポーツ、武道、体育及び健康づくりの各領域における、先導的かつ即戦力となる人材の育成
▶スポーツ界のオピニオンリーダーの育成
▶国際大会で活躍するアスリートの育成

Ⅱ.「研究」

 スポーツと武道の運動形式の洗練及び学術的・文化的価値の探究、ならびに「スポーツイノベーション」「スポーツパフォーマンス」「スポーツ&ヘルスプロモーション」に関連する実践的・挑戦的・領域横断的研究の展開による、体力・健康づくり及びスポーツパフォーマンスの向上に資する新たな研究ブランドの確立をめざします。

我が国固有の身体文化の洗練

▶スポーツと武道の運動形式の洗練による運動技術と競技力の高度化
▶スポーツと武道に関する学術的及び文化的価値の創造と展開

イノベーションによる限界への挑戦・持続可能な未来社会の創造

▶スポーツイノベーションによるヒューマンパフォーマンスの限界への挑戦
▶国民のウェルビーイング向上及び健康寿命延伸の実現に向けた基礎・実践研究の推進
▶スポーツによる社会イノベーション・地域イノベーションに関する研究知見の創出
▶体力・健康づくりに関連する政策にインパクトを与え得る領域横断的研究の推進

Ⅲ.「国際化」

 スポーツや武道を通して世界とつながる人材の育成、研究成果の世界への発信及び我が国固有の身体文化のグローバリゼーションを積極的に推進することで、教育及び研究における本学の国際化をめざします。

世界とつながる教育と研究の展開

▶スポーツや武道を通して世界に積極的に挑戦する人材の育成
▶スポーツと武道の学術的・文化的価値に関する研究成果の世界への積極的な発信
▶武道をはじめとする我が国固有の身体文化のグローバリゼーションの推進

Ⅳ.「社会連携・社会貢献」 

 鹿屋体育大学を拠点とする、地域密着型のスポーツ&ヘルスプロモーションを積極的に展開し、地域社会のウェルビーイング向上・健康寿命延伸の実現に貢献します。

スポーツ&ヘルスプロモーションによる社会イノベーション

▶スポーツデジタルトランスフォーメーション(スポーツDX)を推進し、スポーツDXによる「スポーツ×まちづくり=スポーツ健康都市」の具現化
▶「スポーツ実施率日本一」「健康寿命世界一」の地域社会の実現

スポーツ、武道、体育及び健康づくりによる持続可能な未来社会の創出

▶地域社会のウェルビーイング向上に向けた、持続可能なスポーツ環境の整備とスポーツ文化の醸成
▶地域と共にある大学として、スポーツ振興及び健康増進の地域課題解決に貢献するスポーツ健康都市を実現し、鹿屋体育大学モデルとして発信

鹿屋体育大学ビジョン「NIFS NEXT30」

■ NIFS NEXT30におけるアクションプラン

 NIFS NEXT30のミッション全体の実現に向け、現行の中期目標・中期計画(6年単位)をアクションプランとして策定します。

▶2022年4月からの第4期中期目標・中期計画を“NIFS NEXT30アクションプランVer.1”として位置づけ、第8期まで期ごとにバージョンアップを行い、NIFS NEXT30のミッション全体の実現をめざします。

アクションプランVer.1(2022~2028)

Ⅰ.「教育・学生支援」

A.C.E. Kanoya【活気ある(Active)独創的な(Creative)精鋭(Elites)】の育成
  • 養成する人材像を明らかにし、目指す人材養成を目的とした教育プログラムへと改編を行う。
  • 養成する人材像に係る人材養成に適した機能的な教育研究組織の整備を推進する。
  • 養成する人材像に係る人材養成をフォローするため、学部から大学院までの柔軟かつ機動的な準教育プログラムを開設・実施する。
  • 卒業生・修了生の就職先企業への満足度調査を行うことで、学生が身に付けた資質・能力を可視化し、その分析結果を教育プログラムにフィードバックする改善サイクルを構築する。
  • 健康に関するセミナーを実施し、健康づくりにおいて幅広い知識を持った人材を育成する。
  • 選手及びサポートスタッフをトップチームへ短期研修として派遣し、先導的かつ即戦力となる人材を育成する。
  • 大学が主催するセミナーや学生が自発的に企画する研修等を実施し、オピニオンリーダーとなる人材を育成する。
  • 国際的な場で大学院生が研究成果を発表する機会を拡大・促進し、多様な価値観や論理的思考並びに批判的思考力を養い、国際通用性のある人材を育成する。
  • 国際大会で活躍が期待される課外活動団体に対して、コンディショニングのサポート体制を構築し、国際大会で活躍するアスリートを育成する。
  • 競技力向上に特化した資金調達の仕組みを整備する。

Ⅱ.「研究」

我が国固有の身体文化の洗練
イノベーションによる限界への挑戦・持続可能な未来社会の創造
  • 異なる分野・領域の融合により、身体文化を通じた開発の観点から、スポーツ・武道及び伝統的運動文化の新たな価値を探究する実践的な研究を推進する。
  • 高度で良質な実践的指導者の育成を目的として、既存の学内共同教育研究施設(センター)の一部を再編し、スポーツイノベーションやヘルスプロモーション等を行う部門で構成されるリサーチアドミニストレーション的要素を持つ機構を設置し、アスリートの育成や様々なライフステージに合わせた体力・健康増進に関わるプロジェクトを行い、それらのプロジェクトで得られた知見に基づいて、体育・スポーツ分野における運動実践の指導モデルを構築し、その成果を広く社会に還元する。
  • 学長のリーダーシップの下、本学の研究環境を活かした基礎研究・学術研究の卓越性と多様性を高めるため、競技力向上・健康増進・若手研究者支援等の戦略的研究プロジェクトを推進する。
  • 国内外の大学や研究機関、産業界等との組織的連携、施設の共同利用、共同研究の推進を可能にするシステムを構築し、最先端のスポーツ科学を駆使した研究及び現実社会での実践に向けた研究を推進するとともに、社会支援のために積極的な情報発信を行う。
  • 学内の共同研究体制を強化し、スポーツにおける実践活動・競技力向上に直接寄与するスポーツパフォーマンス研究を実施するとともに、研究成果をもとにしたアスリートサポートを行う。

Ⅲ.国際化

世界とつながる教育と研究の展開
  • 本学学生・留学生と海外のスポーツや武道の実践者(指導者及び競技者)とのスポーツや武道を通じた国際交流を推進する。
  • スポーツや武道の競技、指導において、海外のスポーツや武道の実践者(指導者及び競技者)と英語で基本的なやり取りができる知識並びに英語力及び英語コミュニケーション能力を修得する。
  • 国際競技力の高い学生の国際大会等への派遣を通して、世界に挑戦する人材を育成する。
  • 日本の伝統武道の特性と文化的意義を国際的に発信する。
  • スポーツ・武道の新たな文化的価値の創造やスポーツ・インテグリティ推進に向けての国際的な取組と課題に関する研究成果を発信する。
  • 海外の大学や研究機関等との連携を通じて研究者・実践者(指導者及び競技者)交流を推進し、国際交流ネットワークを構築する。

Ⅳ.社会連携・社会貢献

スポーツ&ヘルスプロモーションによる社会イノベーション
スポーツ、武道、体育及び健康づくりによる持続可能な未来社会の創出
  • 地方自治体等との連携を強め、将来的に地域のコホート研究を推進する体制を整備するとともに、地域の健康づくり・体力づくりの知の拠点を目指すために、健康づくり・介護予防に関わる研究プロジェクトを実施する。
  • 健康を維持増進する取組を推進するために、超高齢社会の課題解決・健康寿命延伸に向け、実践的研究による検証を踏まえ、運動プログラムを開発し、地域スポーツの多様なプラットフォームにおいて、スポーツ活動等に関する支援を行う。
  • 本学の特色ある研究施設や競技施設の社会基盤を活かし、国内外の大学、地域等他機関との積極的な連携体制を構築する。また、大学スポーツを通じた地域を活性化する取組を推進し、健康増進、生涯スポーツ振興、競技力向上に貢献することで機能の強化・拡張を図る。
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